2024年08月03日(土)~04日(日)に兵庫県立障がい者スポーツ交流館(兵庫県神戸市西区)で実施される第50回のじぎくCUP争奪車いすバスケットボール大会に出場される香西宏昭選手(NO EXCUSE)。会場までの移動の途中で来社され、ご自身のこれからと次世代の選手の育成について語っていただきました。
 

最大の目的は、若い世代が同世代同士で試合ができるような環境をつくること。

2021年の東京大会までは、プレーヤーとしての自分の強化に集中してきました。東京大会が終わり、自分自身を見つめ直した結果、日本に戻り次の世代のために機会や場をつくりたいと考えたんです。

今の日本で子どもたちが車椅子バスケットボールをやろうと思うと、入り口は各地で実施されている車椅子バスケットボールの体験会、その次はいきなりクラブチームに入るしかないというのがほとんどだと思います。クラブチームでは中学生や高校生が大人の中に入ってプレーすることになり、チームの中でリーダーシップを取るような機会がない。そこで、体験会とクラブチームの中間になるような場として「NO EXCUSE Academy」というプログラムを2023年に始め、2024年からは「NO EXCUSE NExt」として、チームの中にジュニア世代を受け入れるBridgeプログラムへと発展させました。現在は13歳から16歳まで5名の選手が所属していて、将来的なトップチームへの昇格を目指し活動してもらっています。

若い世代向けの車椅子バスケットボールの大きな大会も、今だとU25カテゴリーなんですよね。これだと、日本代表に入ってくるトップ選手も、中学生になったばかりの13歳の選手も一緒の大会に出場することになる。お互いにとってメリットが少ないですよね。それぞれのレベルや年齢に合わせて、同じ世代同士、同じレベル同士で試合ができるような環境にしていきたい。そうすることで、「レガシー」になっていったらいいなと思っています。
もちろん、自分自身もロスまでの4年間はプレーすると決めたので、結果を出していかなければなりません。自身のプレーのレベルアップと、若い世代へのコーチング。とにかく模索し続ける4年間にしていきたいと思っています。

【NO EXCUSE NExt & Academy】
https://noexcuse.jp/academy.html
 

当社でも、車椅子スポーツの裾野を広げるための活動として2022年からMATSUNAGA CUPというイベントを開催しています。香西選手の想いを聞き、その在り方を改めて考える機会となりました。人々が自分らしく生きることのできる社会を目指し、私たちも模索し続けていきたいと思います。
香西選手、ありがとうございました。
text & photo by S.Wada